GISで扱うデータは大きくベクトルデータとラスターデータに区分される。ベクトルデータは市町村範囲や道路など,線分などで構成される図形として定義され,その図形ごとに属性値としてその図形が有する情報値を保持している。一方,ラスターデータは正方形または長方形メッシュデータで,1セル(ピクセル)ごとに数値を持ったデータの集合である。スキャナーで読みとった地図や空中写真画像データはその代表的なものであり,各セルはカラー階調値を有する。
STEP1で使用したGISデータはラスターデータであった。また,標高グリッドデータ(DEM)も標高値を有するラスターデータとして扱われる。
ベクトルデータは図形を構成する点を地球座標で持っており,面積や距離などの計測が関数などを使って行うことができる。また,各図形の属性値から主題図の作成や属性検索・空間検索を行うことができる。ラスターデータは,セル数値の算術処理(画像データ処理)により,必要な情報を強調したデータを作成することが可能で,衛星画像を使ったリモートセンシングがその代表的な利用法である。
STEP2ではベクトルデータを利用する方法を学ぶ。SuperMapで利用できるベクトルデータ(オブジェクト)は,ポイント,ライン,ポリゴン,テキストの4種類が利用可能である。ここでは,例としてデータソースmap25k_vec
内の各種データセットを表示する方法を示す。
map25k_vec
内にはポイントオブジェクトデータセットの地名,公共施設,ラインオブジェクトデータセットの河川,道路,国道,ポリゴンオブジェクトデータセットの沖縄R,内水面,テキストデータセットTextDTが存在する。
1.ポイントデータセットの表示
データソースmap25k_vecを開き,データセット地名をマップとして開く。(データセット地名ダブルクリックまたは出力エリアにドラッグ)
(1)属性情報の確認
選択ツールアイコンをクリックして,カーソルを選択ツールカーソルに変更する。属性値をを知りたいオブジェクトをダブルクリックすると属性情報を表示するウィンドウが開く。
(2)ポイントスタイルの変更
ポイントオブジェクトのスタイルを変更することが可能である。マップ内のオブジェクトスタイルを変更する場合,凡例ウィンドウ内の地名@map25k_vec(データソース地名のレイヤー状況表示している)を右クリック,『スタイル設定』を選択する。
『シンボルスタイルの選択』設定ウィンドウから,ポイントオブジェクトのスタイルを設定する。設定項目は大きく2項目となる。
@シンボル選択 各種地図記号や図形を利用可能。シンボル一覧から必要シンボルを選択。
Aシンボルの設定 カラー,大きさ,回転角を設定。カラーは▼ボタンよりカラーチャートからの選択またはRGB数値入力。大きさ,回転角は数値入力。
上記データにスタイル変更後,マップ表示が変更される。また,地名オブジェクトの凡例(赤色ポイント)が『凡例ウィンドウ』に表示されている。
凡例ウィンドウ内のレイヤー名称は,【データーセット名称】@【データソース名称】となっている。
2.ラインデータセットの表示
データセット道路をマップとして開く。(データセット道路ダブルクリックまたは出力エリアにドラッグする。)
(1)属性情報の確認 (ポイントデータセットと同様)
選択ツールアイコンをクリックして,カーソルを選択ツールカーソルに変更する。属性値を知りたいオブジェクトをダブルクリックすると属性情報を表示するウィンドウが開く。
(2)ラインスタイルの変更
ラインオブジェクトのスタイルを変更することが可能である。マップ内のオブジェクトスタイルを変更する場合,凡例ウィンドウ内の道路@map25k_vec(データソース道路のレイヤー状況表示している)を右クリック,スタイル設定を選択する。
『ラインスタイルの選択』ウィンドウから,ラインオブジェクトのスタイルを設定する。設定項目は大きく2項目となる。
@ラインスタイル選択 ラインスタイル一覧より各種スタイルを利用可能。
Aラインの設定 色,ラインの太さを入力可能。オプションの色から▼ボタンよりカラーチャートの選択またはRGB数値入力。太さは幅に数値入力。
3.ポリゴンデータセットの表示
データセット沖縄Rをマップとして開く。(データセット沖縄Rダブルクリックまたは出力エリアにドラッグ)ポリゴンは多角形の面状図形であり,範囲及び面積を有する。沖縄Rは市町村範囲を表すポリゴンである。
(1)属性情報の確認 (ポイントデータセットと同様)
選択ツールアイコンをクリックして,カーソルを選択ツールカーソルに変更する。属性値を知りたいオブジェクトをダブルクリックすると属性情報を表示するウィンドウが開く。
フィールド名『SmID』,『SmArea』,『SmPerimeter』はSuperMapの内部属性値で,自動的に算出付加されている。特に『SmArea』はポリゴン面積,『SmPerimeter』はポリゴン外周長を表す。
(2)ポリゴンスタイルの変更
ポリゴンオブジェクトのスタイルを変更することが可能である。マップ内のオブジェクトスタイルを変更する場合,凡例ウィンドウ内の沖縄R@map25k_vec(データソース沖縄Rのレイヤー状況表示している)を右クリック,スタイル設定を選択する。
『フィルスタイルの選択』ウィンドウから,ポリゴンオブジェクトのスタイルを設定する。設定項目は大きく2項目となる。
@フィルスタイル選択 フィルスタイル一覧より各種スタイルを利用可能。フィルスタイルは図形を塗る場合の模様。
Aポリゴン彩色設定 カラー設定前景色,背景色の設定。フィルスタイルaを選択した場合,前景色の設定のみが有効になる。また,bを選択した場合ポリゴンの塗りつぶしは行われない。これ以外のフィルスタイルは模様は前景色,各ポリゴン模様の背景は背景色となる。透明設定はポリゴンの透明化によって背後にある図形が透けて見えるようにする設定である。データの重ね合わせ時に有効な手法である。
Bポリゴン外周のラインはラインスタイルの設定から変更可能。変更方法はラインオブジェクトの変更と同様。
4.テキストデータセットの表示
データセットTextDTをマップとして開く。(データセットTextDTダブルクリックまたは出力エリアにドラッグする。)
テキストオブジェクトの変更は(フォント,サイズなど)はオブジェクト編集により行う。