5.簡易ジオリファレンス処理



 Deskpro(有償版)ではラスターオブジェクトに対してジオリファレンス処理(レジスタ処理)を行い,位置座標を与えるとともに幾何補正を行い,GISデータとして利用可能なデータとすることが可能であるが,Viewerではジオリファレンス処理は行えない。
 国土地理院ラスターデータのように地図四隅の位置座標が判明し,かつ東西南北方向に正規化されたラスターデータは工夫することで,Viewerへ取り込むことが可能である。
 5−1.ラスター座標強制入力
 国土地理院1/50000地形図ラスターから位置座標を設定したラスターデータセットを作成する。
@非地球系座標系と設定したデータソースを開く(データソース map50k )。
Aデータソースにラスターデータ(tiff画像)をインポート。非地球系座標系のため,左下角を(0,0)とした画像ファイルとして扱われている。(データセットT392724)
Bインポートした画像データの対角線上の端点の位置座標をメモ。
  
 C読み込んだ地図画像から周辺に空白部分を取り除く。マップ/マップクリップ/矩形からマップクリップツール呼び出し,カーソルを切り出す端点に移動後クリック,矩形マップクリップの一端を設定,カーソル移動で対角線上の一端を指定する。この時,マウスホイールでマップの拡大縮小,キーボード上の矢印キーでマップの移動が行える。


 Dマップクリップ範囲終了(対角点の設定終了後),マップクリップ設定画面が表示される。クリップ対象データセット及び作成されるデータセットの名称を決定し,OK。
 この処理により周辺の空白を取り除かれた新しいラスターデータセットが作成される。(データセットT392724Cut )
 Eデータソースの投影・座標系強制変更。map50k を右クリックより,属性選択。属性ウィンドウ内の「データソース投影」タグ。
  
 F投影系の再設定ボタンから座標系の設定ウィンドウを開き,地図の投影・座標系である「緯度/経度系座標系JGD2000」を設定する。
 G作成したデータセットT392724Cut右クリック。属性より,T392724Cutの属性情報ウィンドウを開く。

 HデータセットT392724Cutの属性情報ウィンドウにはこのラスターの上端及び下端,左端及び右端の座標値を入力できるようになっている。現在のところ画像ビットXY情報のままであるので,ここにBの位置情報を度単位で入力する。
  
 以上の処理でジオリファレンス処理の終了。位置座標が設定されている。
 

 5−2.tfwファイルの利用
 SuperMapViewerではArcGISのラスター画像をインポートする事が可能である。ArcGISのラスター画像は画像データ(tif)とジオリファレンスファイル(tfw)からなり,tfwファイルは基準点位置座標とピクセル当たりの距離を表す数値よりなるテキストファイルである。従って,このtfwファイルをテキストエディターで作成すればSuperMapViewerにインポート可能となる。
 @地図画像から地図の4端点位置の確認。
 A画像処理ソフトにより地図周囲の空白の削除。
 B画像処理ソフトの機能を利用して画像サイズ(縦横ピクセル)を調べる。
 392724.tifでは横4995,高さ3693となっていた。
 Ctfw作成。テキストエディターで作成。
  1行目:経度方向(横方向,x)1ピクセル当たりの値。緯度経度の場合は度,平面直角座標系の場合はm。
   (127.75−127.5)÷4995=0.00005005005
  2行目:回転角度 0.00000000
  3行目:回転角度 0.00000000
  4行目:緯度方向(縦方向,y)1ピクセル当たりの値。緯度経度の場合は度,平面直角座標系の場合はm。
   (26.1666667−26.3333333)÷3693=−0.00004513042
  5行目:画像左上の位置,x座標 127.5
  6行目:画像左上の位置,y座標 26.3333333
以上のテキストデータを作成し,ファイル名を392724.tfwとして,392724.tifと同じ場所に保存する。
 

 D緯度/経度系座標系JGD2000と設定したデーターソースを開く(データソース map50k )。
 E上記画像ファイルをインポート。