標高データ SRTM3 利用法

 標高データ SRTM3 はスペースシャトルの観測により作成された標高グリッドデータで,地球全域の約90mグリッドが入手可能で,カシミールではすでに利用しているようです。GISでも一部のソフトでインポート可能ですが,ファイル形式が hgt形式で有るため,SuperMapViewer(Free版)での利用ができませんでした。(インポート可能形式にリストされていない)
今回,研究でSRTM3を使い(TNTmips利用)その精度にびっくりしてしまいました。そこで,hgt形式ファイルに対応していないGISソフトで利用する方法を公開いたします。

1)データ詳細サイト
 The Shuttle Radar Topography Mission (SRTM)
    http://www2.jpl.nasa.gov/srtm/
    スペースシャトルによるDEMデータ   FTPサイト
    Version1とVersion2フォルダーが有りますが,Version2を選択後,
    以下のフォルダーから必要なデータをDLします。
    SRTM-1:1秒メッシュ(約30m),アメリカのみ
    SRTM-3:3秒メッシュ(約90m),全世界データ
    SRTM30:上記データから作成した30”DEMデータ

2)SRTM-3データについて
 SRTM-3フォルダー内は大陸名称がついたフォルダーがあり,その中にDEMが収容されています。ファイルはzip圧縮されているので,DL後解凍してください。
 ファイルは1度四方の矩形形状をしており,そのファイル名から位置を特定することが可能です。例えば
 N40E140.hgt ファイルは,この矩形の左下角が北緯40°東経140°に位置し,データの範囲が北緯40−41°東経140−141°の範囲に位置することを示しています。


2)データ変換
 多くのGISソフト(SuperMapViewerでも)で,インポート可能なグリッドデータ(DEM)ファイル形式bil/hdr形式に変換してインポートします。
 ここで問題になるのはhgtファイルのフォーマットですが,hgtファイルは上記のbil形式ファイルそのものであることが判明しました。従ってヘッダーであるhdrファイルを作れば簡単にインポートできることがわかりました。従って,特別なソフトも必要有りません。テキストエディターだけでOKです。以下 N40E140.hgt を例に手順を説明します。
 @手順1 ファイル名(拡張子)の変更
  ファイル N40E140.hgt の拡張子を bil に書き換える。
 A手順2 テキストエディターでhdrファイルの作成
  テキストエディターで以下のテキスト文書を書く。(左詰で)
  nrows 1201
  ncols 1201
  nbands 1
  nbits 16
  nodata = -32768
  byteorder M
  layout bil
  ulxmap 140.000417
  ulymap 40.999583
  xdim 0.000833
  ydim 0.000833
  skipbytes 0
  B手順3 ファイル名を N40E140.hdr として保存する。

3)hdrファイル作成のポイント
 @必ずbilファイルと同じ名称にする。 N40E140.bilN40E140.hdr
 Ahdrファイルはどの地点でも,8行目及び9行目を除き,同じテキストとなっている。
 B8行目ulxmapと9行目ulymapの数値はファイルごとにことなっており,この数値がジオリファレンス情報となっている。
 Culxmapとulymapの数値はhgtファイルの名称から計算できる。
  N40E140.hgt ファイルではN40と140Eを使って以下のように計算する
  ulxmap: 140+(0.000833/2)
  ulymap: (40+1)−(0.000833/2)

 以上の手順でbil/hdrファイルを作成したらインポート機能でインポート後,主題図作成してください。SuperMapでの利用は当webサイトのSuperMap講座を参照してください。SuperMapViewerでのDEM表示には多少問題がありますが,手順は後ほど公開します。