1−1.地形概要
沖縄本島の地形の特徴を考察するため,沖縄本島をそれぞれ南西,南東,北東,北西の四方向からの鳥瞰図を示した。
沖縄本島鳥瞰図(南西上空より)
その他各方向からの鳥瞰図を見ることができます。[ 南東 南西 北東 北西 ]
沖縄島は琉球列島中央部にあり,列島中最大の全長100kmの細長い島である。沖縄島の地形は、残波岬〜石川間を境に、中南部と北部で大きく異なる。北部は高島(高い山地を主体とした島)的であり、中南部は低島(低平な台地状の島)的である。
北部では、北端の辺戸岬から石川まで、脊梁山地として島の中央部を尾根が連なり、山頂部は南へ行くほど低くなる。さらに、これら山地の周囲、海成段丘起源と思われる丘陵が取り巻き、その縁辺部に砂礫層を持つ海成段丘が付着する。
一方、石川以南の沖縄島中南部の地形は、石灰岩段丘と小起伏丘陵で代表される。最高位の段丘でも200mを越えない低平な地域である。この地域の丘陵は、基盤の島尻層群泥岩が露出し、浸食され、生成した小起伏波浪状の地形であり、沖縄島北部の丘陵とは成因の異なるものである。
1−2.地質概要
沖縄島は、地形区分と同様に、北部の先新第三系基盤岩類を主とする地域と、中南部の新第三系〜第四系新期堆積物の分布する地域に分けられる。
沖縄島の北部の先新第三系は、一般に北北東走行20〜50゜西北西落で あり、ほぼ走行方向に帯状に分布している。これらは、東側から西に向かっ て、砂岩頁岩互層(嘉陽層)、千枚岩(名護層)、緑色岩部の順に配列する。これらの地層(国頭層群)は激しく褶曲し、構造は複雑である。
沖縄島中南部一帯は、標高100〜200mの平坦面を作る第四紀層が広く分布し、琉球層群と呼ばれている。さらに、この台地の基盤は新第三紀〜第四紀早期の島尻層群によって構成されており、琉球層群の下位や直接地表に露出して分布する。