オルソ空中写真の広範囲DL |
国土画像情報(カラーオルソ空中写真)閲覧の仕様が変更され,以下の方法は利用できませんが,何かの参考になると思いますので,残しておきます。 1.オルソ化空中写真 空中写真は心射投影のため写真周辺部で写真が歪む。また撮影された事物の標高差によりその縮尺がことなり、空中写真を地図のように扱うことは出来ない。オルソ化空中写真は計算により、上記歪みを除去し、平射投影に変換した空中写真で、地図と同様に利用することが可能な写真である。 日本国内のオルソ化空中写真は国土交通省のDLサイトから入手可能である。 国土画像情報(カラーオルソ空中写真)閲覧 http://orthophoto.mlit.go.jp/ このシステムでは1度にDL出来るデータのサイズが制限されているため、広範囲のデータを入手する場合、多数の手順を繰り返さなければならない。 今回は、DLの手間を極力少なくする手法を公開する。 国土交通省のDLサイトはWMS機能を有していることから、サーバーへのリクエストで目的範囲の画像を入手する事が可能である。 この機能の概要は http://orthophoto.mlit.go.jp/help/help.pdf より入手可能であり、以下のリクエストをブラウザで行うことによりその範囲のpng画像を入手出来る。 http://orthophoto.mlit.go.jp/wms/default.aspx?VERSION=1.3.0& REQUEST=GetMap&LAYERS=ORTHOIMG&STYLES=&CRS=&BBOX= 42.89066,141.5521,42.89974,141.5642&WIDTH=800&HEIGHT=700 &FORMAT=image/png&BGCOLOR=OxFFFFFF すなわち、必要な画像の緯度経度範囲及び画像サイズを算出してリクエストすれば入手出来るということである。 この場合、入手後の画像を効率よくジオリファレンスするための工夫が必要である。 2.空中写真解像度 空中写真の解像度は日本直角座標系でDLする場合50cm程度を有していることからこの解像度がこのデータの最大解像度と推定される。日本直角座標系を使ったDLはでは解像度が固定されているので必要範囲から画素数は計算可能であるが、範囲を緯度経度に変換する手間がかかってしまう。(実用的ではないので、今回は検討しない) 緯度経度によるリクエストは、必要範囲を直接緯度経度で指定できるため単純であるが、解像度を任意に指定できるため、東西方向と南北方向の解像度を同じにするための工夫が必要になる。 この算出には国土地理院のユーティリティーを利用すると算出しやすい。 http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/ 3.沖縄本島北部データのDLを例に (1)沖縄島北部の中心付近 26°40’,128°10’ での1m当たりの緯度経度を算出する。 平面直角座標への変換 より日本直角座標系15系で X(南北方向)74027.967, Y(東西方向)66358.175 と判明。今度は 緯度経度への変換 より上記のx、yに+1した数値を入力、緯度経度に変換する。 当初の入力緯度経度と今回の緯度経度数値の差が1m当たりの緯度経度値となる。 緯度方向 0.032” 、 経度方向 0.036”(=0.00001°) (2)範囲リクエストを作成しやすい画像サイズを算出する 緯度方向 0.032” 、 経度方向 0.036”(=0.00001°) から画像サイズを幅4000、高さ4500とすると範囲0.04°×0.04°の範囲となり範囲指定が行いやすくなる。 今回画像サイズを4000×4000程度にしたのは、サイズが大きくなるとサーバーの応答に時間を要する為である。(この値をどこまで大きくできるのかはトライしていないが、サーバーに大きな負荷をかけることは慎む方が良いと考えています) (3)オルソ空中写真リクエスト ブラウザから以下のアドレスを入力する(HP上では分割しているがアドレス入力時は1行で)。 http://orthophoto.mlit.go.jp/wms/default.aspx ?VERSION=1.3.0&REQUEST=GetMap&LAYERS=ORTHOIMG&STYLES=&CRS= &BBOX=42.89066,141.5521,42.89974,141.5642 &WIDTH=800&HEIGHT=700&FORMAT=image/png&BGCOLOR=OxFFFFFF この時赤字で表示した切り出し範囲と青字で表示した画像サイズを上記で算出した数値から求める。 例えば http://orthophoto.mlit.go.jp/wms/default.aspx ?VERSION=1.3.0&REQUEST=GetMap&LAYERS=ORTHOIMG&STYLES=&CRS= &BBOX=26.68,128.16,26.72,128.20 &WIDTH=4000&HEIGHT=4500&FORMAT=image/png&BGCOLOR=OxFFFFFF リクエストを送信し、しばらくするとpng画像が返信されてくる。戻ってきた画像を適当な名称を付けて保存する。 (4)tfwファイルの作成 保存した画像をphotoshop等でtiff画像に変換すると、tfw書いてGISデータとして利用可能になる。 リクエスト情報 BBOX=26.68,128.16,26.72,128.20 WIDTH=4000&HEIGHT=4500 より、テキストエディターを使ってtfwを作成。(tifwの作り方はここを参照) この例では、画像を okin26.68_128.16.tif としたので、twfファイルは okin26.68_128.16.tfw とする。 GISソフトでは tif/tfw データを GISデータとしてインポート可能。 (5)連続DL 上記手順で隣接するエリアをDLし、さらにtfwを作成すれば広範囲のオルソ空中写真をGISデータとして利用可能になる。 計算しやすいように値を調整すれば隣接データはたやすく生成できる。以下のデータは沖縄北部地区を1m精度空中写真でモザイク処理した物である。 |